非嫡出子(ひちゃくしゅつし)

婚姻している法律上の夫婦の間に生まれた子のことを嫡出子(ちゃくしゅつし)といい,そうでない男女の間に生まれた子のことを非嫡出子(ひちゃくしゅつし)といいます。
そして,非嫡出子の親子関係のうち母子関係は,「分娩の事実」あるいは「懐胎,出産」によって決定されます(A子さんからBちゃんが生まれたら,A子さんとBちゃんは親子ですよ,という当たり前のことです)。
しかし,非嫡出子の親子関係のうち父子関係は,「認知」がないと法律上の親子関係が認められません。このように,法律上の夫婦でない男女から生まれた子と父との親子関係を決定する方法が,認知です。そのため,認知がなされていない時点では,子と父との間に親子関係はなく,子は父が亡くなった場合でも相続権がありません。
非嫡出子の相続分について,以前は嫡出子の2分の1と定められていましたが,平成25年12月5日に民法の一部が改正され,平成25年9月5日以降に開始した相続については,嫡出子と非嫡出子の相続分は同じになりました。
また,最高裁判所の判断により,平成13年7月1日から平成25年9月4日までに開始した相続についても,嫡出子と非嫡出子の相続分は同じになりました。ただし,平成13年7月1日から平成25年9月4日までに開始した相続であっても,遺産分割などが終わってしまっている場合には,それを覆すことはできません。

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代表弁護士 泉 英伸

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